まだ日が完全に上がる前から、今日は仕事を始めていたので、ベランダから朝焼けを撮ってみた。久しぶりのお天気で、いつもの風景が絶景に見える。写真より実物のほうが美しいので、撮るのをやめて、暫くノスタルジーに浸っていた。ベランダから小学校が見える。誰でもあると思うが、朝焼けとか夕日を見ていると、思い出すことがある。

小学校56年の2年間、私は放送委員だった。冬ならまだ朝焼けが残る時間、職員室から鍵をあずかり、放送室に向かった。朝の音楽をかけ、「みなさん、お早うございます。今日も~」とアナウンス。曲は、グリーグ「ペール・ギュント/朝」。お昼休みになると急いで放送室へ行き、オリビア・ニュートンジョンの新譜(?)「ジョリーン」をかける。「給食当番の人は作業に入りましょう。」その後、ライブラリーから好きなレコードをかけて、昼休みが終わる。顧問の先生が寄付したレコードなので、クラシックか、70年代アメリカン・カントリー・ポップスだけだった。天気に合わせて選曲していた記憶がある。雨の日に、ムソルグスキー「禿山の一夜」をかけるのが好きだった。下校時間にはドボルザーク「新世界/家路」。王道だ。

こんな事を思い出すとき、必ず映像が浮かぶ。映像制作をしているからか、カメラアングルやズームなど細部にわたって再現できる。その時の少年は、6年男子の中でも、早く背が伸びた大きな子ども。制服の半ズボンが似合わない。レコード針に10cmくらいまで目を近づけ、そっと下ろす。まず、50mm標準レンズで引きを撮って、次に望遠で寄って撮る。など、頭の中でシーンが出来上がる。こうして頭の中でイメージを具体化すると、実践のときに役立つ。イメージトレーニングになっている。

写真を撮っていて、楽しいと思うことは、こういった思い出とリンクした時である。何時も考えているわけではないが、それは突然出会う。何かを撮ろうとした時、その被写体と自分の思い出がリンクした経験が誰にでもあるのでは?

asa-1.jpgEOS M5 + New FD 50mm 1.2L

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