心に残る写真は一枚もない。

一眼レフやミラーレスを使っていると、デジタル・カメラという劣等感が心の隅にいつもある。その反動で、せめて出来上がりくらいは、フィルム風にしたい。そう思っている人も多いのでは? フジのカメラにフィルムシミュレーションがある。でも、これにはフジフィルムのデータだけ。コダックがあれば欲しいと思ったことがある。

昔のフィルム時代を経験した人なら、私がオールドレンズやフィルムの質感に拘る理由が、少しは理解できるかも。ただ単に、その描写が好きなだけではない。フィルムを使っていた頃の写真撮影という行為が好きだった。1枚1枚のフィルムが貴重に感じ、撮る側も、撮られる側もそれなりの覚悟が必要だった。結果は現像するまで分からない。撮る側よりも、撮られる側の方が緊張していて、むやみにピースなんかはしない。その時代を知らない若い世代の人達には、どうかと思うが。

個人的に思っていることがある。最近の若い世代の人達は、明る過ぎるテレビや、分かり易い身近なテーマ(高校生の恋愛とか)の映画でも、楽しむことが出来る。視覚と聴覚そして頭に刺激があるものを、心に残ると錯覚している。視覚と聴覚そして胸にくるものが、心に残る作品だと、私は考えている。言い換えれば、頭を素通りする作品(出来事)は一生忘れない。

毎日スナップを撮っているが、心に残る写真は一枚もない。それは、構図とか露出とか、仕上がりのイメージばかり頭で考えているから。何も考えずに撮った写真が、案外良かったりした経験はあるのでは? いくら、構図の勉強のために始めたスナップ撮影でも、時々虚しくなる。プライバシーがあるので、人は撮れない。可愛いからといって、集団散歩中の保育園児も撮れない。大丈夫だと思って老人を撮ったら、意外に口が達者で怒られたりする。やはり、構図の勉強なので、風景や物だけになる。でも時々、人の顔が無性に撮りたくなり、選挙のポスターを撮ったりするが、余計に虚しい。この際、猫でもいいか。

neko.jpgEOS 6D + Summilux 80mm f1.4  (f4.0)

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