国産の中望遠単焦点レンズの画角は85mmがほとんど。しかし、ライカRレンズに85mmは存在しない。理由は分からないが、ライカは意図的に85mmを避けていたと思われる。避けていたかどうかは別にして、中望遠には80mmと90mmが存在する。更に100mmもあり、沼の近くを彷徨うこになる。90mmには選択肢があり、f2.8のElmaritとf2.0のSummicron。更にSummicronには非球面のAPOレンズもある。このどれか一つ選ぶのは難しくない。予算だけになる。但し、80mmと100mmがあるので、本当に90mmが必要か考えなければならない。

Summiluxが80mmなのは、90mmを持っていても欲しくなるように仕掛けたライカの罠だと勘ぐっている。仮にSummiluxが90mmなら、Elmarit、Summicron、Summiluxの3者(4者)択一にる。そうなると高価なSummiluxは売れなかったかも知れない。80mmという神秘的な(?)画角にすることでSummiluxは成功したと、これまた勘ぐってしまう。実際、私はその罠にすっぽりハマった。90mmのSummicronを持っていたが、Summilux R 80mmを買った。後で100mmのAPO Macro Elmaritを手に入れるまで、暫く(短い期間)両方使っていた。

どのレンズも他の代わりは出来ない。それぞれ用途と個性がある。経験者の立場から意見を述べるが、あくまで参考程度にして欲しい。まず、APO Macro Elmarit R 100mm。もし、気に入ったマクロレンズを持っていれば、買わない方が無難。もちろん優秀で文句無しにいいが、中古市場でも20万を超える高価なレンズ。倍率は0.5倍。それに、優秀過ぎて(?)説明がつかないライカの魅力が、他の焦点距離に比べて少ない気がする。私が使っている理由は、購入当時マクロレンズを持っていなかったこと。それと、ライカで揃えたいと思っていたからだ。今ではマクロ撮影、商品撮影において手放せないレンズだが、そういう撮影は個性よりも解像度や性能を重視してもいいのでは? CanonやNikonにも、手ブレ補正付きの等倍マクロレンズがある。無理して高価なマニュアルレンズを買う必要があるのか? でも、気に入って使っている。(どっちやねん。)

apo.jpg

Summilux R 80mmは、開放値f1.4が魅力のレンズ。ポートレートを頻繁に撮影するなら最適だ。80mmという画角の良さは、使うほど分かってくる。私の場合、モデルとの距離感が丁度よく、意思疎通が図りやすい。バストアップ、顔アップは特に納まりがいいと感じる。ただ、開放で使うことはあまりない。少し絞ったf2.8が気持ちいい。中望遠でf1.4はボケ過ぎかも? 私はよくスナップ撮影で使っている。しかも、しっかり絞る。開放付近は夕暮れ時くらい。このレンズは開放の良さもあるが、実は80mmという画角がいいのかも知れない。APS-Cカメラに50mmを着けたとき、違和感をあまり感じないのは私だけ? もし、同じように思えるなら、Summilux R 80mmはオススメだ。重量が結構あるのと、ピントリングが重いのが欠点。しかし、それらを許せる描写をする。

sumi.jpg

90mmはどうか? 非球面APOレンズは使ったことがないので何とも言えないが、コレクターで無い限り80mmや100mmのどちらかを持っていていれば、必要ないかも。ライカRの中望遠、何れか一つとなると私の場合Summilux R 80mmになる。100mm マクロレンズは他のメーカーにも素晴らしいレンズがあるが、80mmは無い。ライカらしい個性と高い解像度で満足している。80mmは販売戦略ではなく、計算されたライカの答えだったのかも知れない。

NANU ARTS FILMS ホームページ




コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です