ライカレンズは開放値の違いでそれぞれ名前がある。f2.8はElmarit、f2.0はSmmicron、f1.4はSummiluxなど。他にもあるが、手元にないので省略するが、代表的なのはこの3種類。これに画角の違いでラインナップされている(Rライカは製造中止)。どのレンズも一本一本それぞれの個性があり、画角や開放値の違いだけではない何かがある。おそらく意図的に他のレンズも欲しくなる様に作ったとしか思えない。ライカコレクターが存在するのも頷ける。
ライカレンズにハマりはじめた頃は、色んなレンズを買っては売ってを繰り返していた。
動画のためのレンズ探し
画角以外の違いは、ボケ具合と線の太さと色目がある。ボケについては大口径か小口径の違いなので、特に説明は不要だと思う。線の太さは(イメージだが)大胆か繊細(しっとり)、という感じ。ただ、色目(発色具合)は動画撮影に少々問題である。
色目の違い
大まかな色目の傾向は、グリーン系に寄るか、アンバー系に寄るか。それとイメージだか埃っぽいか(黄色?)。これらは6D、5DⅢに付けた場合なので、他のカメラは分からない。概ねオールドレンズは2.8より絞って使うとライカに限らず、グリーンに寄るような気がしている。
レンズの色目が違いすぎると編集時の色調整が難しくなる。例えば、違うレンズで撮ったカットを繋ぐ時、衣装の色に合わせて調整すると、顔色が違ってくる。オールドレンズで動画撮影する場合、この様なリスクがある。キャノンのEFレンズが動画撮影にも適している理由は、こういった苦労が少ないからだと思う。
色目が共通になるライカレンズ
動画撮影で最も使うf値は、私の場合f2.8~f4。このあたりの色目が共通になるライカレンズを集めることにした。
はじめはSummicron R 90mmがメインレンズだったので、これを基準に他の画角を探しはじめた。当時Summicron R 50mm Type Ⅰ(初期型)も一緒に使っていたが、このType Ⅰと90mmが、どうもしっくりこない。Type Ⅰは写真としては非常に魅力的な写りだが、色目が渋く(アンバー系)、グリーン系の90mmと何だか合わない。
Summicron R 50mmは絶対に持っていたかったので、TypeⅡ(後期型)を試しに入手。色目は90mmと同じグリーン系。Type Ⅰは泣く泣くヤフオク。
個性派揃いの広角レンズ
ライカの広角レンズはどれもクセのある個性派ばかり。Super Angulon R 21mmはアンバー、Elmarit R 28mmはブルー、Summicron R 35mmはグリーン、Elmarit R 35mmはアンバーなど、どれも魅力的なレンズだったが(高価な19mm f2.8と35mm f1.4は試していない)線が太い気がしてしっくりこなかった。
Elmarit R 24mmはミラーに干渉する
24mmを最後まで試さなかったのは6Dではミラー干渉し、改造しないと使えなかったからである。21mmを気に入っていたので無視していたが、レンズガードを少し削ると使えるような記事を見かけた。
1年ほどしてヤフオクでジャンク品(カビだらけ)を入手。試しに削ってみたら、案外上手くいったので、お世話になっている鈴木特殊カメラに清掃を依頼した。
遠景での解像度はそれほどでもないが、繊細で美しい描写。やや寒色系だが色温度調整すれば、他のレンズとも相性もよい。
6D + Elmarit R 24mmで撮影 。f5.6
レンズ探しの旅
買っては売ってを繰り返し、Summicron R 90mmから始まったレンズ探しの旅はSummicron R 90mmを手放して終わった。
Elmarit R 24mm、Summicron R 50mm(TypeⅡ)、Summilux R 80mm、APO Macro Elmarit R 100mmの4本が動画撮影用に残った。今でも多少は調整しながら編集しているが、色目の問題は許容範囲に収まっている。ライカレンズは本当にどれも素晴らしい。手放した物で、もう一度使いたいレンズは沢山ある。本当は全部手元に置いておきたいが、コレクターではないので、必要最小限にしている。
約5年間レンズを研究したお陰で、ビデオ制作にも深みが出て来たような気がする。今ではミュージックビデオ制作ではアンジェニューで行くか、ライカで行くかを決める。自己満足かも知れないが、音楽の持つ世界観を描く、重要な選択肢だと考えている。
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Piano:Yumi Nanatsutani