「写真撮って」奥さんが突然言い出す。「いいよ」写真好きの男にとって、これ以上に心地よい響きはあるだろうか。何を撮って欲しいか聞く前に「いいよ」と答えるYesマン。聞けばブログを始めるらしい。部屋の観葉植物やベランダの花やピアノの写真を撮る。ひょっとして毎日?恐る恐る尋ねると「そうや。写真は綺麗なほうがいいやん」複雑な気持ちになる。

誰でも頼んだ瞬間、クライアントになる。そして、受けた瞬間、請負になる。それは、どんな場合でも同じ。報酬があっても無くても同じ。クライアントになった奥さんはあーだこーだと上から言ってくる。自分のためなら簡単に撮れても、クライアントを納得させる写真はなかなか撮れない。ここは人生勉強のつもりで受けることにした。

部屋にはゴムの木があり、天井に当たるほど大きく育っている。それを撮るのだが、大きさが上手く伝わらない。広角レンズで全体を撮った写真を見て「なんか、小さい」。今度は標準で少し寄ってみる。「もっと、わんさかしている感じで撮って」6DSummicron R 50mmで撮った写真でもダメ。50mmは見た目に近い写りをするはず。私的にはいいと思ってもクライアントは納得しない。どんなアングルでもだめだった。

ならば、中望遠単焦点レンズ!Summilux R 80mmでどや!と、ばかりに撮ってみた。わんさかしてきた。近い」カメラのことは全く分からないクライアント。言いたいことを言っているが、妙に納得。アングルを試行錯誤してやっとOKがでた。狭い部屋で、大きなゴムの木をデフォルメすることなく、その大きさを表現するのは難しい。広角レンズはパースが付いて嘘っぽい標準レンズは忠実だが物足りない。望遠レンズは部屋が狭いから無理。結局、80mmを使ってアングルを工夫した。距離を稼ぐため、部屋の端まで引いて、床からあおって広がり感を出した。中望遠ならあおってもパースがつかない。写真を見ても実際のイメージのまま、大きさが伝わってくる。中望遠レンズは頼もしい。

sp.jpgEOS 6D + Summilux R 80mmf4.0WB/5800K

今度はベランダの白いランタナ。「なんか、瑞々しさが無い。」どうしよう。。。

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