私のスナップ撮影は、ミュージックビデオ作品の向上が目的なので、少し縛りを作っている。いつもではないが、今日は「花は撮らない」とか決める。これだけで、撮影枚数が劇減りする。花だけでなく草木を含めるともっと減る。もちろん、主題としてだが。写り込みはあり。この縛りを頭に入れ、いつものように近所散歩に出かける。

視界から花や草木を除外しているうちに、意識からも次第に消えていく。植木や街路樹好きの私はいつも、近所の庭木に目をかけていた。「この木蓮、蕾がついてる。」「おお、ケヤキが芽吹いた」とか、家から駅まで大体の庭木(よその家)を把握しているのだ。その庭木が意識から消えると、何だか殺風景な町に見えてくる。

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そうなると、気になるのが郵便受けとか、自転車、車、電柱、ねこ避け、みたいな。あまり集中しすぎると静かな住宅街であっても、何となくブレードランナーの雰囲気になる。ここまでくると、草木の写り込みも一切無し、縛りを強化。この命題で、いい感じに見える構図を探して撮る。撮っている時は冴えない写真と思っていても、パソコンのスライドショーで見ると以外に面白い。人が住んでいないゴーストタウンの様に感じる。昨日までいた人々が、一夜にして失踪した映画のように(映画の見過ぎ)。植物を撮らないようにしていたら、無意識に人も避けていた。

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「花や草木を撮らない日」を作ろうと思ったのは理由がある。植物は生命なので撮った写真は一応、生命力がある。ピントが狙い通り合っていれば、いい写真と納得する。子供だったら尚更。自分で撮って、自分だけで見て、自分の実力が、どの程度か判断するとき、この思い込みは良くないと思ったからだ。

花や草木を撮らない次の日、反動で、それしか撮らない時があった。いつもは見てすぐ削除するキャッチ&リリースだが、スライドショーでじっくり見ているところを奥さんに目撃された。「なんか、お爺さんみたい。」。。ムカつく(=腹が立つの意)

788.jpgEOS M5 + New FD 50mm 1.2L  3枚共

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