ミュージックビデオ撮影時のセッティングはアーティストが女性か、男性。または、音楽がハードかソフトで決めている。いすれも仕上がりは1920 x 1080のフルHD。4Kもあるが、今のところアップロードが多いミュージックビデオでは需要が少ない。フレームレートを決めることから始める。

映画的に撮るには24pで、ハードな曲や男性メインのバンド、非現実的な作品など大体この設定にしている。30pはそれより少しユルい感じの作品を撮る。曲調が爽やかな時、シンガーが女性など。60pや120pでミュージックビデオは撮らない。インタビューやビデオメッセージに使うくらい。プロモーションビデオも30pを使っている。精密に商品を紹介するような場合は60pで撮ることもある。

60pや120pで撮る利点は、後から編集時に綺麗なスロー再生ができること。それがミュージックビデオで、使われている理由だと思う。私自身はスロー再生が嫌いなので、よほど効果あると思った時にしか使わない。その時だけ別のフォルダに設定を替えて撮る。24pで撮影した素材を後からスローにすると荒れ荒れになるので、すべて60pで撮影しておいて、編集で足らないカットの穴埋めの為にスロー再生を多用する人も見受けられる(辛口)。

映画のフレーム数が24pなので、ミュージックビデオ制作でも24pで撮影する。映画が8mmから16mm、24mmになってそれ以上にフレーム数が上がらないのは理由があると思う。それ以上になると、現実的になるからだと思う。海外のミュージックビデオ制作者は5DⅡで撮影した場合、30pの固定だったので、完成データをわざわざプラグインで、30pから24pに落としていたそうである。

今では需要が無いが、16mmも魅力がある。デジタルで代用出来る物はないか、探したことがあった。そんな時、15p4Kという不思議な仕様の動画撮影機能付きで、Nikon J5が発売された。しかもセンサーが1インチで、16mmフィルムとほぼ同じ。Cマウントのシネマレンズが使える。以前からアンジェニューのシネレンズを使ってみたかったので早速、試してみた。Nikon J5にアンジェニュー 17mm-68mmを付けて15p4Kで色々撮影してみたが、フィルムのようにいい感じにならず、なんだかチラチラするだけだった。ただ、普通にFHDで撮影するといい感じになる。アンジェニューのレンズのせいだが、6Dとアンジェニューより更に、フランス映画のように撮れる。フランス映画といっても、悲しい失恋映画だが。

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一度に沢山の作品を扱う制作業者は、利便性を優先して撮影時のフォーマットを決めていることが多い。作業効率と安全性を重視すれば当然。それに30p、60pや120pが悪い訳でもない。ただミュージックビデオ制作では、色目とかレンズ選びも大切だが、実はフレーム数が決めてだったりする。

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dsc_1071-s 上2枚、ANGENIEUX 17-68mm F2.2 Cマウント + Nikon 1 J5で撮影。(上下をトリミング) JPG無修正 設定不明。

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