プラボディになったEOS M5。シャッター音がショボくなって当然だが、少し残念。EF-M 22mmを付けて撮ったら尚更である。しかし、重いレンズを付ければ、そうでもない。NewFD20-35mm 3.5Lを付けた時のシャッター音はなかなかいい感じになる。

CANON純正のEF-Mアダプターを介してNewFDレンズ(EFマウント化してある)を使ったときは、間の抜けた音した。アダプター内部に空間ができるので、そうなったんだと思う。「シュポッ」みたいな。。。アダプターを変更し、その内部を乱反射防止のためにフェルトで覆うとシャッター音が激変、いい感じになった。「カシュシャッッ!」

シャッター音に限らず、こういったメカ音は大事だと思う。その昔、録音で使っていたテープレコーダーで例えれば、国産は業務用であってもそのメカ音は家電品と大差なかった。しかし、スイス製スチューダーは全然違った。各部の操作音は元より、内部で動く機械音は感動的だった。SF映画に出てくる高性能マシーンのそれである。それにも増して、テープを巻き上げる時の風切り音はゾクゾクする。指を出したら切れる感じがして(実際何度も怪我をした)スリル満点の音だった。

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ヨーロッパの高級車は特にドアの開閉音にはこだわっているという。ベンツはIRCAM(フランス国立音響音楽研究所)でドアやダッシュボードの開閉音を研究していると聞いたことがことがある。有名な香水シャネルNo5も同じくそこで、噴霧した時の音を研究していたそうだ。使う時に発する音が、いかに重要かを分かっているのだろう。

音は眼に見えない分、たった一音でも人の心に影響する。たとえば、テーブルにコップを置く時など。そっと丁寧に置くか、荒々しく置くかでその人の状態を感じることができる。また、そば屋のテーブルがIKEAか、分厚い無垢の木でも違ってくる。後者の場合、食べる前から美味しいそうに感じるはず。

こういった動作音(すべての音)を気にするか、しないかは消費者(利用者)次第だが、作る側は常に気を使ってもらいたい。私自身、ミュージックビデオや音楽を制作するので、細心の注意を払っているつもりである。全てではないが、音の質感は人の心を動かす重要な要素であると思う。

M5は本当に好きなカメラ。別に進化なんてしなくてもいい(出費につながるから)。APS-Cのままでもいい。シャッター音もこれでもいい。ただ、ストロボを開ける音、なんとかならない?

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